テニスショップADO菅原です。『最近の子供は足指が使えていない!』『昔の日本人は裸足、下駄、草履を履いていたから優れていた』『素足感覚』『裸足感覚』など裸足が足や身体に良い影響を与えると言いますが本当のところどうなのでしょうか?
私個人の意見ですが、私達の今の生活環境を考えると靴を履いた方が足、身体には良い影響を与えると思います。(足部バイメカの理論背景がしっかりと入っているシューズ)何故なら全てが硬くて平な路面ばかりだからです。アスファルト、家の中のフローリング、スーパー、デパート、遊園地などどこに行っても私達の路面環境は平地獄です。
これは私たち人間が無理やりつくっている環境になります。
硬くて平な路面は床反力が自動的に立ち上がり乱反射している状態です。私達人間は不整地の環境の中で2足で効率的に動くために足部も含めこの形体に進化してきました。推進するために必要な位置エネルギー落下エネルギー床反力エネルギーのサイクルを効率よく身体に取り込みながら衝撃緩衝し全身がバネのようにエネルギーを保存し推進力へと変換しています。
しかし平地獄の現代では床反力が乱反射状態ですのでこのエネルギーサイクルにズレが生じます。スイッチを切ることができない筋活動でそのため本来しなくて良い筋肉が衝撃の緩衝したり関節の屈曲サイクルが変わったり内力での調整が必要になります。現代人が悩まされているトラブルは筋、腱、膜、靭帯、他、いわゆる軟部組織といわれる部位です。
変形生膝関節症、変形性股間症、外反母趾、扁平足、シンスプリント、腸脛靭帯炎、足底筋膜炎、膝蓋腱炎、オスグットなどなど。
この乱反射している床反力の調整機能とエネルギーの循環器として靴が必要になります。小さい時に裸足で不整地や砂場などで動くことはとても大切ですが現代人はずっと不整地で生活することは不可能です。多くの時間を硬くて平な環境で過ごさなければいけません。
ですから小さい時からエネルギーの循環器として足に合う靴を履き、正しい靴の履き方、紐の締め方、で生活、スポーツをする事で自分の身体の一部としてより正確に脳にマッピングされます。靴を履いても路面が柔らかい、硬い、凸凹しているなど靴を通しても路面の状態がわかる。靴底には感覚器はないのに。。。これを可能にしているのが、「ボディースキーマ(身体図式)」という脳の機能。ボディースキーマが正確であればあるほど、実際の動作もより正確になっていきます。
靴が足の変わりをするのではなく足にしっかり仕事をさせてくれる靴で不整地を歩いたり走ったりすることも重要です。不確定要素の多い不整地は体性感覚に合わせて平衡感覚に大事な前庭系にも良好な刺激が入ります。