テニスショップADO菅原です。本日も70代の女性の足のカウンセリングとSUPERfeetをフィッティングさせて頂きました。最近よくつまづくようになってきたので日常履くシューズとインソールをきちんと選んで欲しいという事で私のブログを観て下さりご来店頂きました。

いつまでも元気で歩くために足はとても大切ですが、歩幅が減少すると推進力が低下してしまい、足を交互に踏みだす力がより必要になってしまいます。そのため、疲労しやすくなる事があり、つま先での蹴りだす力も軽減しひっかかりやすくなります。

歩幅の目安は通常歩行であれば「身長×0.37」が目安と言われていますがこの歩幅に大きく関わっているのが『胸郭』になります。胸郭は足部同様複数の骨が密集している場所になります。上肢の動きがリズムカルに動くためや胸郭が柔軟に動きたわんでくれることにより衝撃緩衝としての役割があります。

しかし高齢者の方で特に日常的に激しい運動されていない方はこの胸郭が固まるという事が起きます。なぜでしょうか?胸郭は、胸骨・胸椎・肋骨、で構成されています。胸郭の大きな役割が『呼吸』です。実は肺には筋肉がないので心臓みたいに自ら動くことができません。横隔膜や肋骨間の筋肉の働きによって胸腔自体を広げることにより呼吸をしてます。

肺の使用量は運動している人で8~9割、運動していない人では、全体の2~3割しか使われていないと言われています。活動量が落ちている方や高齢者の方は肺が2~3割ほどしか使われていないと言ってもいいかもしれません。そうなると、深呼吸のような胸郭を大きく動かすような動きはしなくても、浅い呼吸で生活できていることになります。つまり胸郭をたくさん動かさなくなるので関節も少ししか動かず、筋の伸張も少なくなり動きの小さくなった胸郭になり動きにくい状態になります。

歩行の時胸郭はどのように動いているかと言いますと右下肢(右足)を降り出した時に右上肢(右手)は後ろに左下肢(左足)は後ろ左上肢(左手)が前とねじられるような回旋が加わるのが特徴です。右下肢を振り出すということは右骨盤の動きに引っ張られて、右の下位胸郭が左回旋しますので何もしなければ体が反時計周りに回ってしまい真っ直ぐに進む事ができません。ですのでこの重さと同等の逆回旋する動きが必要になります。だから右足を出すと右手は後ろ左足は後ろ左手は前というようにお互いの回旋を打ち消すように動くようになっています。この上肢下肢の回旋が良好に行われる事で歩行がスムーズになり歩幅も自然と確保されるようになります。

では、もし胸郭が固くなりどれかの可動域が少なくなったらどうでしょうか?『上位胸郭の右回旋が行われなくなったとしましょう。』上位胸郭の回旋しやすい方向は左になります。ということは、左手が後ろに振りやすくなります。ということは、左足が前に出やすくなります。右手は後ろに振りにくく、右足は前に出にくい状態です。前にでにくいということは歩幅が狭くなり推進力が低下してしまい、足を交互に踏みだす力がより必要になってしまいます。そのため、疲労しやすくなる事があり、つま先での蹴りだす力も軽減しひっかかりやすくなり転倒しやすくなる可能性が高くなります。胸郭が硬ければ上手くたわむ事ができず身体全体の衝撃緩衝もできなくなり軟部組織等にも負担がかかり痛みになる可能性も高くなります。

本日のお客様も歩行を観察させて頂いたところ胸郭の動きが硬く体幹を固めたような歩行のため歩幅も狭く足を引きずりながら歩かられておりました。日常的にこのような歩き方をされている方は前庭感覚も加速を感じにくい状態になっている事が予想されますので胸郭の動きを改善するエクササイズ、前庭感覚の調整、そしてシューズとSUPERfeetをフィッティングさせて頂き再度歩いて頂くとご来店時に比べ自然と歩幅が広がり1、2とリズムカルな歩行に改善されていました。

日常できる胸郭の動きと前提感覚を改善させるエクササイズ、下肢へのボディーメンテナンスをお伝えさせて頂き、次回はカスタムインソールを作成させて頂く予定です。

健康のために歩く事は大切ですが身体の構造的な問題を抱えた状態で無闇に歩くことはかえって身体を痛める事につながる可能性が高いですので注意が必要です。1日何歩!など量を目標にするのではなくいかに歩行の質つまり本来持っている足や身体の機能を改善させてあげることが
重要だと感じます。