テニスショップADO菅原です。イギリスのスポーツ医学誌は13日、新型コロナに去年感染した約5万人の調査で毎週2時間半以上、運動をしていた人の入院率や死亡率などが運動不足の人よりも大幅に低かったことを明らかにしました。運動で免疫力が上がるほか、心肺機能や精神状態の改善につながると言うことです。

益々健康のために歩いたり走ったりする人が増えてくるでしょうね。歩く走るが特別な事になってしまっている現代ですがそもそも歩く走るは人間にとって移動手段です。誰からも教わることはなくできてしまう運動『根源的な運動』になります。ただ健康のためにはじめたウオーキングやランニングで足、膝、腰などを痛めてしまう方が多いのも現実です。

では何故そういう方が多いのか?と言いますと学校教育やスポーツ指導等の中で何百万年もかけて手に入れた2足走歩行とはかけ離れた運動感覚を身につけてしまった事が要因の一つとして考えられます。

当店にご来店頂き足のカウンセリングをさせて頂くお客様に必ずお聞きする質問です。
『歩く走るは何を前に運ぶ事?』でしょうか?

『足、脚を前に運ぶ事』と多くの方がおこたえになります。
正解は『身体重心(体幹部)を前に運ぶ事』になります。走歩行は移動する事が目的ですの人という構造体が次のスペースに移動する事が結果『前に進んだ』ということになります。身体重心が移動すれば足は勝手に交互に動くというリズム運動がインプットされています。まだ大人達のロジックに染まっていない子供たちは既にインプットされている身体重心を移動させるという事を効率的に行っています。ですので大人ほど筋力がなくても元気に歩いたり、走ったり、飛び跳ねたりとても元気なんです。



↑ ↑ ↑ 身体重心を移動させるという事を効率的に行っています。歩く、走るは根源的な運動。呼吸、咀嚼(噛む)、嚥下(飲み込む)などと同じ。私達は「歩くようになってい る、走るようになっている」

お腹付近の洋服をつままれて誰かに引っ張られているような感覚で歩くと脚が勝手に交互に動いてくれ前に運んでくれる。

では『足、脚を前に運ぶ事』は何をしているかと言いますと身体重心を後ろに進める事を一生懸命やっています。身体重心よりも先に足、脚を前に出すということは足、脚の重さで体は前に倒れてしまうので身体重心を後ろにすることで前に倒れないようにしています。前に進もうとしているのだけどブレーキをかけているので内力(筋力)で代償しないと前に進めないという非効率的な事をしています。

仕事柄、街で歩いている人の歩行を良く観察していますがほとんどの方が身体重心よりも先に足、脚を前に運ぶ事をしています。足、脚を前に運ぶ歩行感覚、皆さん何かわかりませんか?学生時代必ずやってますよ…..

『行進』です!!行進は足、脚を前に運ぶ事をしています。その場で足踏みできるのも身体重心が前に移動していないのでできるんです。移動手段として私達が獲得した歩行とは全く違う感覚になります。これを考えると世の中で推奨されている歩く、走るなどのメソッドやスポーツの指導、トレーニングで行っている事の中に行進のような足、脚を前に運ぶ事を目的としたものが多数あります。

テニススクールのジュニア達に行っているフットワークのトレーニングもいろいろ拝見させて頂いていますが。多くが足、脚を前に運ぶ事、脚を地面に振り下ろす『踏み足』が目的になっていているので怪我で悩むジュニア達の相談が絶えないのは納得できます。

我々が何百万年もかけて手に入れた2足走歩行の仕組みを理解し根源的な運動、「立つ、歩く、走る」に立ち返る事が重要です。