テニスショップADO菅原です。足のカウンセリングとSUPERfeetをフィッティングさせて頂いた中学生女子のお母様よりこんな質問を頂きました。『うちの子片足立ちがうまくできないんです、バランスが悪いんですかね?』結構この質問多いんです。

ではバランスって?バランスや片足立ちができる事は何の評価?
私達人間は地球上でどのようにバランスをとっているかと言いますと私達が立っている時には両足を開いた足と足の間に支持する面ができます。
床に接している面を支持基底面といいます。その広さが広いほど安定します。身体重心という重心から床に垂直に下ろした線も存在します。『身体重心』=『COG』と言います。

立っている時、座っている時などは支持面の中に重心線が常に落ちています。そして足の裏からの圧力を「床反力」=「COP」といいます。私達は呼吸や心臓の鼓動などにより常に身体重心(COG)が移動しているので重心を補正するように,ほとんど無意識的に足のうらでバランスをとっています。

これわかりますか?


棒を手のひらに乗せて倒れないようにする時重心が倒れないように,手のひらを動かしづつけて棒を立てることが,「バランス」をとることです。立ち止まっている時人間も同じように「バランス」をとっています。足の裏では,手のひらを動かすように,床からの圧力が常に常に変化しています。ですから,重心の移動に合わせて,いつも足の裏からの圧力を変化させることが必要です。

バランスについて話したところで片足立ちについて考えていきましょう。片足立ちをするときに何をしているかと言いますと支持面の中に重心線が落ちている状態が立ち止まっているという事になりますので片足だけになった 右足(COP)指示面に重心を落としていきます。つまり身体重心(COG)を右に寄せることをしています。身体重心(COG)と床反力(COP)が一致する事=『止まる』になります。

でも日常生活、スポーツの時など歩く、走る、飛ぶ、様々な場面で片足立ちをする事はほとんどありません。歩くという根源的な運動で考えた時に歩いている時に片足立ちしてると思われるかもしれませんが実は違います。黒い線が身体重心の線です。赤い線は圧力中心と言い物体が床面上に乗っているときの反力の中心位置です。歩いている時に身体重心(COG)と床反力(COP)が一致する事はありません。何故なら身体重心(COG)と床反力(COP)がずれる事が『動く』ということになります。

棒を手前に引くと前に倒れます。つまり身体重心(COG)と床反力(COP)が逸脱したから。物体が動くという現象です。

ちなみに足のカウンセリングをさせて頂いた方で足部構造に問題がある怪我を繰り返す方の多くは歩く走る時に体の重心が足の裏に入り込んでくることが多いです。 COGとCOPが重なる事は『止まる』事ですので止まった物体を動かすために必要以上に内力(筋力)を使う必要が出てきます。無意識下で働く腹内側系の姿勢調節システム先行随伴姿勢調節(APA)についても減衰してしまいます。片足立ちステップでのラダートレーニング、軸足に重心を乗せる乗り込み練習、バランス感覚をよくする目的で平均台や直線上を歩く走る練習などは重心と床反力を一致させる訓練ですのでバランスは余計に悪くなってします。片足立ちができないのが問題とすることや、片足立ちでのステップ練習をする事には意味があるのかと疑問にもなります。

地球上で動くための人のシステムや足の動きや構造の理解がもっと広がっていき本当に必要な事を見極める力はとても大切だと感じます。