テニスショップアド菅原です。アーチの変化と腰の動きの関係性についてのお話です。走歩行しているとき、踵(かかと)周りの28個の骨は、お互いに広がったり組み合ったりすることで、地面に対する衝撃を緩和したり、地面に力を伝えたりしています。これが、足の本来の動きと役割です。
足の本来の動きー柔らかい足と硬い足つまりアーチの変化には腰の動きが大きく関係しています。
立脚相(荷重時)における柔らかい足(回内)から硬い足(回外)へ切り替わる仕組みは遊脚側の前方への振り出し⇒骨盤が回旋⇒立脚下肢の外旋運動⇒硬い足(回外)アーチが高い足になります。
この骨盤が回旋するためには、骨盤が後傾していることが条件になります。なぜ骨盤を後傾すると回旋しやすくなるのか?
ポイントとなるのが椎間関節の締りの肢位(CPP)と緩みの肢位(LPP)です。腰椎の動きは、そのまま骨盤の動きになりますので骨盤が前傾することでCPPに。CPPになると、椎間関節がロックされるため可動性が低下します。後傾することでLPPになります。LPPになると、椎間関節が緩むため可動性が向上します。
アーチがある状態は蹴り出しに必須条件となります。骨盤後傾は椎間関節がLPPとなり、脚を振り出す時に骨盤の回旋が出やすくなります。結果として、支えている脚も回旋しアーチが挙上していきます。日本のランニングメソッドで推奨されている『腰を高い位置で!』は骨盤の前傾運動をずっと行うことになりますので結果的に骨盤が回旋しにくくアーチが低下したままになります。アーチが低下したままでは蹴り出しが行えず身体への負担が増加します。
日本人ランナーに多い適正なフェイス、タイミングで硬い足になる事ができず、下腿とともに膝から上も内旋し膝がつま先に対して過度に内側を向いている『ニーイントゥアウト』の状態になります。足底筋膜炎、シンスプリント、腸脛靭帯炎、鵞足炎、外反母趾など多くの障害に影響を及ぼします。
ただ骨盤後傾が良く前傾が悪いう事では無くて両方大事です。必要なフェイズ必要なタイミングで骨盤の前傾と後傾の切り替えこそが重要となります。
世界のスーパースターモハメド・ファラー選手の骨盤の前傾と後傾の切り替え。
このように足の変化は全身の連鎖性の中で常に変化していきます。足にとらわれすぎると本質がみえなくなります。足部の動きを全身運動の中の動きとしてとらえない悪しき運動が故障につながる。本当の知識を持った大人達がいれば子供達のスポーツ障害は劇的に減ると思います。