テニスショツプアド菅原です。先月SUPERfeetを作製させて頂いたお客様がインソールの凄さを実感して頂きこれは両親につくってあげたいということでご来店くださいました。お父様は腰痛、お母様は膝の手術、外反母趾、腰痛など特に下肢に問題が出やすいのがお悩み。
いつまでも元気で歩くために足はとても大切ですが、下肢のトラブルを抱えている方が見落としているところが『胸郭』になります。
胸郭は足部同様複数の骨が密集している場所になります。上肢の動きがリズムカルに動くためや胸郭が柔軟に動きたわんでくれることにより衝撃緩衝としての役割があります。
しかし高齢者の方で特に日常的に激しい運動されていない方はこの胸郭が固まるという事が起きます。なぜでしょうか?胸郭は、胸骨・胸椎・肋骨、で構成されています。胸郭の大きな役割が『呼吸』です。実は肺には筋肉がないので心臓みたいに自ら動くことができません。横隔膜や肋骨間の筋肉の働きによって胸腔自体を広げることにより呼吸をしてます。
肺の使用量は運動していない人では、全体の2~3割しか使われていないと言われています。活動量が落ちている方や高齢者の方は肺が2~3割ほどしか使われていないと言ってもいいかもしれません。そうなると、深呼吸のような胸郭を大きく動かすような動きはしなくても、浅い呼吸で生活できていることになります。つまり胸郭をたくさん動かさなくなるので関節も少ししか動かず、筋の伸張も少なくなり動きの小さくなった胸郭になり動きにくい状態になります。
歩行の時胸郭はどのように動いているかと言いますと右下肢(右足)を降り出した時に右上肢(右手)は後ろに左下肢(左足)は後ろ左上肢(左手)が前とねじられるような回旋が加わるのが特徴です。右下肢を振り出すということは右骨盤の動きに引っ張られて、右の下位胸郭が左回旋しますので何もしなければ体が反時計周りに回ってしまい真っ直ぐに進む事ができません。
ですのでこの重さと同等の逆回旋する動きが必要になります。だから右足を出すと右手は後ろ左足は後ろ左手は前というようにお互いの回旋を打ち消すように動くようになっています。この上肢下肢の回旋が良好に行われる事で歩行がスムーズになり歩幅も自然と確保されるようになります。
胸郭が硬ければ上手くたわむ事ができず身体全体の衝撃緩衝もできなくなり軟部組織等にも負担がかかり痛みになる可能性も高くなります。本日のお客様も胸郭の動きが硬く体幹を固めたような歩行のため歩幅も狭く足を引きずりながら歩かられておりました。歩く走る時に衝撃緩衝しているのは足とか膝と良く言われますが全身が衝撃緩衝しているというのが正しいこたえです。
下肢のトラブルを改善させるためにインソールを使用することはもちろん重要ですが、胸郭や全身の動き、中枢神経などが上手く働くことでより身体が改善していきます。ですので足のカウンセリングをさせて頂いたお客様には日常できる全身のボディーメンテナンスと中枢神経を調整するエクササイズをお伝えさせて頂いています。
健康のために運動することは大切ですが身体の構造的な問題を抱えた状態で無闇に運動することはかえって身体を痛める事につながる可能性が高いですので注意が必要です。本来の身体機能を改善させてあげることが重要だと感じます。